軽自動車は危険な車なのか?
GWも終盤にさしかかり帰省ラッシュが始まろうとしています。
令和年最初のゴールデンウィークは異例の10連休となっていて過去にないほど観光客が増えているそうです。私は人混みが嫌いなので大した予定は入れませんでしたがテレビなどで楽しそうにインタビューを受けている人を見るとなんだか私まで楽しくなってしまいます。
そんな楽しいゴールデンウィークですが残念なことに人が大勢出かけるようになるのに伴って急増するものがあります。
それは事故です。
休日は今までロクに車に乗る機会が無かった人たちがこぞって車で遠出し始めます。その結果未熟な運転技術のせいで事故が増えてしまう訳です。
さてそんな交通事故ですが、こういった話題になると必ずと言っていいほど言われるのが「軽自動車は危険だ」「軽自動車は走る棺桶だ」などといった軽自動車の危険性を主張する論調です。
私自身色々と思うところがあるので今回はこの「軽自動車は危険である」という考えについて私なりの意見を書いていきたいと思います。
軽自動車が危険な車だと言われる理由
軽自動車は日本の道路事情に非常によくマッチしていますし税制上の優遇も受けられる素晴らしい車のカテゴリです。事実日本のユーザーの多くに選ばれて支持されています。
ではなぜそんな軽自動車は色んな所で「危険だ」と言われてしまうのでしょうか?
色々と調べてみるとそういわれるのにはそれなりの「理由」があるようです。その理由とは以下の4つです。
- 車体が小さい
- 車重が軽い
- 背が高く横幅が狭い
一つずつ私なりに理解したことを解説していきます。
軽自動車は車体が小さい
元々軽自動車は収入の低い一般市民が車を持てるように作られた規格の車です。そのため税制上の優遇を受ける為に設計に細かく条件が定められています。
具体的には以下のように法律で定められています。
排気量 | 660cc以下 |
全長 | 3,400mm以下 |
全幅 | 1,480mm以下 |
全高 | 2,000mm以下 |
定員 | 4名以下 |
積載量 | 350kg以下 |
この中でも特に制限として厳しくなっているのがボディの大きさに直結する全長と全幅です。最近の普通車はどんどんサイズが大きくなる傾向にあり全幅は1,800mm、全長は4,500mmを超える大柄なモデルも珍しく無くなってきました。
普通車は法律上の規制がかなり幅広いのでどんどん大きくなっていっているのですが軽自動車は既に制限いっぱいっぱいまでボディを大きくしてしまっているのでこれ以上大きくなることがありません。
その為小さなボディの軽自動車が大きな車に囲まれて走ることとなります。
つまり必然的に軽自動車と普通車の事故が多く起こってくるわけなのですが問題となるのが「体格差」です。
大きな物と小さな物がぶつかればどちらが大きく破壊されるかは今更説明する必要も無いですし、結果は火を見るよりも明らかでしょう。軽自動車は大柄な普通車に押し潰されてしまいます。
また現代の車は事故の際にワザと車をひしゃげさせることで搭乗者を守るという考えに基づいて開発されているのですが軽自動車は車内空間を極限まで広める為に、衝撃を吸収する為の空間(クラッシャブルゾーン)が非常に少なくなってしまっています。
その為普通車と比べて外からの衝撃と搭乗員までの距離が短く致命的な事故となる場合が多くなってしまっています。
軽自動車は車重が軽い
交通事故というのは1t以上ある機械と機械がぶつかるわけなのですが、物体と物体がぶつかった場合基本的には「軽い方」が弾き飛ばされます。まさにオハジキのように。
車に乗った状態で車ごと弾き飛ばされれば当然タダでは済みません。
ですので基本的に車の車重は重い方が他車とぶつかった場合には無事に済む可能性は高いです。
だから車重の軽い軽自動車は危ない!…となりがちですが実は最近の軽自動車は比較的重くなっていて一概に「軽いから危険だ」とは言えなくなっていると思います。
例えば現在最も人気のホンダN-BOXなどは車両重量が950kgもあり、私が現在乗っているスズキのスイフトスポーツなどの軽量コンパクトカーと比べても大差無くなっています。
このことから軽自動車=軽いから危険だという論調は現在では必ずしも言えなくなっているのです。
ただ全体的に言えば軽自動車が普通車よりも軽いことは間違い無いので相対的に言えばやはり多少は危険だと言えるかもしれません。
軽自動車は背が高く横幅が狭い
車体の小ささに通じるところもあるのですが最近の軽自動車は室内空間を確保する為に上方向に車体を伸ばして車内を広くしています。
ただ先述した通り軽自動車は全長、全幅共に法律で定められている寸法限界まで拡大されていますので全高だけを伸ばすという事になってしまいます。
つまり極端に言えばびよよ~んと縦長の車になってしまうわけですね。
車というのはハンドル操作をして曲がる時や風や傾斜などによって常に左右へ揺られています。縦長の車はこの「横方向への力」に非常に弱くなってしまうのです。
私が軽自動車に関して最も危険に感じるのはこのポイントです。
車の事故の中でも横転事故というのは重傷や死亡に至る重大な事故になる確率が高く、ある意味「横転しない」というのは車に求められる安全性能の条件としては最優先事項だと思います。
その点軽自動車は寸法の制限上どうしても横転しやすくなってしまいますので危険だと言えます。
ちなみに自分は安全運転だから関係ないと考えている人も横から追突された場合にどれ程の「横方向への力」がかかるかは考えておくべきです。
※上記の話はあくまで普通車と比べてです。基本的には横転しませんし横転するときはどんな車でもひっくり返ります。確率の話です。
結論:軽自動車は比較すれば危険だが絶対的には安全な車
これまでの話を簡潔にまとめると
「軽自動車は小さくて軽くてひっくり返りやすいから危険であると言える」
という事なのですがこれはあくまで、軽自動車より大きな普通車と「比較」した場合です。車は物理の法則で動いていますので大きな物よりも小さな物のほうが弱いのは当たり前の事です。
極論を言えば軽自動車と比較して安全である普通車もダンプカーと比べれば危険な乗り物となります。
そしてダンプカーも戦車と比べれば危険な乗り物です(笑)
ですので軽自動車が危険なのはあくまで何かと比較した場合のみです。
軽自動車自体は最近の技術の進歩もあって非常に安全な乗り物になっていますし、実際に小さなボディで問題となる衝突安全性も上手く構造を作ることで厳しくなっていっている基準をクリアしていて日常で仕様する分では全く問題ありません。
以上の事から軽自動車は「比較すれば危険な車」になってしまいますが「絶対的には安全な車」だと言えるわけです。
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