カスタマイズ

スイフトスポーツにLSDを装着するメリットデメリット

 

スイフトスポーツ(ZC33S)は価格性能共にコストパフォーマンスに非常に優れていて、庶民の強い味方のスポーツカーとして多くのユーザーに愛されています。

ただそんなスイフトスポーツ(ZC33S)にはいくつか残念な欠点があります。以前もスイフトスポーツの欠点は記事にしましたが以前あげた記事は「誰しもが感じるであろう欠点」を指摘しました。

購入前必見!オーナーが感じたスイフトスポーツの欠点や短所大好きな愛車スイフトスポーツ(ZC33S)の粗探しをしてみる ...

今回は「割とハードな乗り方をする人」が感じるであろう「純正状態でLSDが装着されていない」というポイントについてです。

 

スイフトスポーツでこれからサーキット走行を考えているけれど、どんな物を選べばいいんだろう?メリットは?デメリットは?

 

そういったオーナーの知識の一つになればと思います。

 

スイフトスポーツ(ZC33S)にはLSD(デフ)が無い

スイフトスポーツ(ZC33S)にはスポーツカーには必須と言われるレベルの「LSD」つまり「リミテッドスプリットデフ」が装着されていません。

 

LSDはスポーツ走行をする上で、より早くより楽しく走ることができるので是非欲しい装備ですが、良い事ばかりではなくデメリットも持ち合わせています。

そこでスイフトスポーツにLSDを装着する場合のメリット・デメリットを書いていきたいと思います。
まずはそれぞれのメリット・デメリットを箇条書きすると以下のような部分が挙げられます。

LSDを装着するメリット

  • メリット①:コーナー立ち上がりが良くなる
  • メリット②:ブレーキング時やアクセルオフの際に走行が安定する

LSDを装着するデメリット

  • デメリット①:普段使いで曲がりにくくなる
  • デメリット②:LSDによっては作動音がウルサイ
  • デメリット③:オーバーホールが必要な場合も

 

メリット・デメリットを一つずつ説明していきます。

 

スイフトスポーツにLSD(リミテッドスプリットデフ)を装着するメリット

まずはメリットからです。
先ほど「スポーツカーには必須レベル」と話したくらいですので何となく想像は付いていると思いますが、LSDが装備されているのとされていないのでは天と地ほどの差があると言っても過言ではありません。

サーキットのタイムアタックから峠道を走るまでスポーツ走行をする場合LSDの有無はタイムや速さに直結します。

その理由をメリットを一つずつ解説しながら説明します。

 

メリット①:コーナー立ち上がりが良くなる

「LSDを装着するメリットの9割がこれ」と言っても良いほどの効果をもたらしてくれるのが「コーナー立ち上がり速度」です。

そもそも車にはオープンデフと呼ばれる外側のタイヤと内側のタイヤの「回転差」を吸収する部品が装着されています。そのため日常の低速域で曲がる時はスムーズに曲がることができるのです。

もしオープンデフが装着されていなければ物凄く曲がりにくくなり何度も切り返しをしなければなりませんし、タイヤも変な減り方をするようになるでしょう(笑)

 

日常生活では多大なメリットをもたらしてくれているオープンデフですが、スポーツ走行となると話は変わってきます。

 

早い速度でコーナーを曲がると遠心力で内側のタイヤが浮いてしまいます。
するとオープンデフは「内側のタイヤが空転している」と認識して駆動力を内側にばかり振り分けてしまいます。

 

つまり遠心力で浮き上がっている内側のタイヤが接地する=コーナーが終わるまでエンジンの駆動力は路面に伝えられなくなってしまうのです。
だからオープンデフでスポーツ走行をすると過重のかかっていない内輪が空転ばかりして前に進まず、アクセルを踏んでもタイヤがすり減るだけになります(笑)

 

そこでその「オープンデフの誤認識」を解消するのが「LSD」です。

 

LSDを装着することによって「オープンデフ」が空転しなくなり遠心力のかかるコーナリング中でも外側のタイヤにも駆動力がかかるようになりコーナーの立ち上がりが鋭くなります。

これがLSDの最も大きなメリットです。

 

メリット②:ブレーキング時やアクセルオフの際に走行が安定する

こちらは副次的な効果になりますが前述の通りオープンデフだと内輪差が無くなった際に空転するわけです。という事は速い速度でコーナーに進入した際に路面のアンジュレーション(路面の起伏)などでタイヤが浮き上がってしまっても駆動配分が変わってしまいます。

 

しかしLSDが装着されていれば高速走行中に路面の起伏によって片輪が浮いてしまった場合にも安定した走行をすることができます。

スイフトスポーツのように軽量を武器にしている車はコーナーへの飛び込みスピードが重要なので安定した走行性能を得られるのは大きなメリットですね。

※後述しますが1.5WAYタイプのLSDでの話です。1WAYタイプではアクセルオフでLSDは作動しません。

スイフトスポーツにLSD(リミテッドスプリットデフ)を装着するデメリット

以上がLSDを装着するメリットなのですが一方で当然デメリットもあります。
メリットしかなければどんな車にも標準装備されているはずですからね…

デメリットを一つずつ説明していきます。

 

デメリット①:普段使いで曲がりにくくなる

メリット①でオープンデフは「普段使い」を考えて曲がりやすくしてある代わりにスポーツ走行時は空転してしまい、駆動力が抜けてしまうがLSDはその「駆動力抜け」を防ぐ効果があることを説明しました。

ということは「LSDはあえて曲がりにくくしている」とも言い換えることができます。

つまりLSDは普段町中や駐車場で小さく回りたい時にもオープンデフの「駆動力を逃がす効果」を抑制してしまうので純正状態よりも曲がりにくくなってしまうわけです。

 

いくらサーキットに通い詰めている人でも常にスポーツ走行をしているわけではありませんから無視できないポイントです。

 

デメリット②:LSDによっては作動音がウルサイ

LSDにはいくつか種類がありますが、一部の種類のLSDにおいてはチャタリングと呼ばれる異音が鳴って「非常にウルサイ」と言わざるを得ないものもあります。

その一つが所謂「機械式LSD」と呼ばれている物です。

機械式LSDとはLSD内にいくつもクラッチが内蔵されていてLSDが作動するとクラッチを押し付けて駆動抜けを抑止する構造を持つLSDのこと。
LSDの中では最も効果が高いことも特徴の一つ。

 

どんな音かというと「バキバキ」や「ガリガリ」といった音がします。特に駐車場などの低速で小回りをするような場面では断続的に音が鳴り結構うるさいです。
かなり分かりやすい動画を見つけたのでシェアします。

字幕が面白いです(笑)

 

これは「イニシャルトルク」と呼ばれるLSD内の圧力をかなり上昇させた状態で使用している状況なので実際はここまで酷いのは稀ですがチャタリング音としては分かりやすいかと思います。

 

毎日駐車する度にこんな異音を聞かされるのはハッキリとしたデメリットと言えますね…

 

デメリット③:オーバーホールが必要な場合も

LSDは「装着してハイお仕舞!」ってパーツではなく定期的なオーバーホールが必要です。オーバーホールをしないと前述のチャタリング(異音)が出てしまったりイニシャルトルクの抜け(LSDが効きにくくなる)などが出てきてしまうのでLSDを取り付けたら基本的に必須メンテナンスとなっています。

当然DIYでは中々できない作業ですので専門業者に委託することになりますから「オーバーホール工賃」が発生します。

ショップによって違いますが安くても5万円程度、作業内容によっては7万円~10万円近くする場合もあります。

 

数年おきとはいえ、車の維持費が上がるという点を見ればデメリットと言えるでしょう。

 

LSDを装着するなら1WAYか1.5WAYの物を選ぶべし

さてここまでLSDのメリット・デメリットを説明してきましたが?
初めてLSDを付けようか迷っている人などは知らない事も多かったのではないかと思います。

実はもう一つ注意しなければならないことがあります。

スポーツ走行をする上でLSDは欠かせないものですが、一口にLSDと言っても実に様々な種類があり、特にLSDの作動タイプの違いは理解しておく必要があります。

 

LSDの作動タイプには大きく分けて以下の3種類があります。

  1. 1way式LSD
  2. 1.5way式LSD
  3. 2way式LSD

軽く一つずつ解説します。

 

1way式LSD

特徴としては「アクセルON」にした時のみ作動します。
FFの車やAWDの車のフロントに適していて、扱い方が比較的簡単でノーマルデフ(純正)のように素直な挙動がメリットです。

デメリットとしては高速コーナーなどで微妙な回転差が発生した時に車の挙動が乱れたりします。

LSDの入門としては最適でしょう。

 

1.5way式LSD

丁度1WAYと2WAYの間に位置するタイプのLSD。
アクセルONでLSDが作動するのはモチロンのことアクセルOFFでも若干LSDが作動し、走行安定性が増します。

1WAYでのブレーキング時に挙動が乱れると感じる方にはベストマッチのLSDと言えます。

 

ZC33Sに装着できる1.5WAYタイプのLSD

 

2way式LSD

アクセルON、OFF共にLSD効果が強く効くタイプのLSDです。

アクセルONの時はモチロンOFFの時にもLSDが作動するという事はFF車や4WD車ではアクセルオフで姿勢を変えることができず、ドアンダーになってしまいます。

基本的に2WAYタイプはFFや4WD車のフロントには使いません。

アクセルONで向きを変えられるFR車やAWD車のリヤに装着するのが一般的です。

 

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございます。

スイフトスポーツでこれからサーキット走行を考えているけれど、どんな物を選べばいいんだろう?メリットは?デメリットは?

この記事がそういった悩みの解消の一助になれれば幸いです。

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