自動車チューニング

【車のチューニング入門第5回】エンジンの冷却系の基本と強化方法

チューニング入門シリーズ第5回

車のチューニングをする上での準備や考え方を解説している記事です。連載シリーズ記事となっていますのでまだ以前の記事を読んでいない方は先に読んでみて下さい。

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チューニング初心者
チューニング初心者
エンジンの冷却性能が大事って聞いたんだけど何で大事なの?そもそもエンジンってどうやって冷却してるの?
Autofan管理人
Autofan管理人
確かにモータースポーツなどのエンジンをぶん回す環境で走ることが多いなら冷却性能は大事ですね。どのようにエンジンが冷却されているかも合わせてなぜ冷却系の強化が大事なのかを解説します。

 

エンジン冷却系のチューニングとは?

ウォータージャケット

出典:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/0803/21/news145.html

そもそもエンジンは常にエネルギーを熱に変換していて発熱しています。もし冷却もせずに熱エネルギーを発し続けてしまうと当然エンジンは壊れてしまいます。

エンジンの冷却方式にはエンジン内に水を流して冷却する「水冷式」と走行風やファンの風を当てて冷却する「空冷式」がありますが、現在発売されている車のほとんど全てが「水冷式」となっています。

水冷式のエンジンではエンジン内部に「ウォータージャケット」と呼ばれる冷却水を流す為の通路が張り巡らされており、その中を冷却水が流れることでエンジンの動作による熱を発散して過剰に熱をもつ事を防いでくれます。エンジンが必要以上に熱を持つとパワーダウンするのはモチロンの事、最悪の場合はエンジンブロー(エンジンの故障)に繋がるので注意が必要です。

ウォータージャケット内に流れる冷却水はラジエーターの内部に充填されていてウォーターポンプによって圧送されてエンジン内部を循環し、エンジン内部の熱を奪って再びラジエーターに戻ってラジエーターによって冷却されます。

ラジエーター

出典:https://www.carsensor.net/contents/terms/category_497/_8812.html

 

モータースポーツにおける冷却水の管理の重要性

toyota86

モータースポーツで使うような車両でもそれ以外の一般的な車両でも水冷式のエンジンであれば基本構造は同じなので冷却水の重要性は変わりません。基本的に冷却水にはLLC(ロングライフクーラント)と呼ばれる不凍液が使われています。クーラントは凍らない性質とラジエーター内やエンジン内の錆びを防ぐ性質を持っています。

 

この凍らない性質や錆びない性質は一般的な使用用途では車の寿命を延ばしてくれる非常に効果的なものなのですが、ことスポーツ走行をする上ではクーラントは足かせになってしまいます。

LLCはただの水と比べて熱の発散性能が低く、非常に高温となるモータースポーツの冷媒として使うにはやや心もとない部分があります。理想を言えば純水だけで冷却するのがベストなのですが、そうするとエンジン内部やラジエーター内に錆びが発生してしまうので車の寿命を縮めてしまう可能性があります。

そこでモータースポーツの世界で用いられているのが「LLCを薄めて使う」という小技です。LLCの保護性能をある程度は確保しつつ水による冷却性能の向上も期待できるので非常に効果的です。

ちなみに冬場は相対的にエンジンの温度が上がりにくいので通常のLLCでも問題ない場合もあります。水温計と睨めっこして冷却性能がたりないようであれば水で希釈するなどの工夫をしてください。

LLCを希釈する場合の濃度と注意点

LLCを希釈して使う場合は時期も考慮して濃度を決める必要があります。夏場の場合は冷却性を高くしておきたいので水を多めにしてLLCは2,3割程度としておくのが良いでしょう。また冬場は前述した通り相対的にエンジンの温度が上がりにくいのでLLCだけで使用するか、希釈するとしても5割程度までで十分でしょう。

LLCを補充したり水で希釈したら必ずエア抜きを実施しましょう。ラジエーター内にエアーが噛みこんでしまうと冷却水の量が規定量に足りずオーバーヒートなどのエンジンの故障に繋がります。

 

エア抜きの方法としてはラジエーターとリザーバータンクに冷却水を満たした後にラジエーターキャップ(補給口)を開けた状態でエンジンをかけてしばらくエンジンをかけ続け冷却水の温度を上昇させます。そうするとラジエーターキャップから「ポコポコ」と気泡が出てきます。冷却水の水位が下がってきたら随時冷却水を補充しましょう。

気泡が出なくなるまで待って一度ラジエーターキャップを閉め、低負荷で車を走らせて水量が減っていないかを確認します。減っていれば補充し減らなくなればOKです。

もし冷却水が溢れた場合はエア抜き後に綺麗に拭き取っておきましょう。

冷却性能の高いレーシングクーラントを使うのも有効

HKSスーパークーラント

もしこういった作業が面倒だと感じる場合や濃度の調整が上手くいかない場合はモータースポーツ用の冷却性能が高いLLCが販売されているのでそういった物を利用するのもいいでしょう。レーシングクーラントは放熱性が高く外気に触れるとすぐに冷えるという性質をもっているためスポーツ走行には最適です。

モータースポーツ向けレーシングクーラント

 

車をチューニングして冷却能力の強化を図る

さてようやく本題です。冷却水の管理はあくまでチューニングの基本です。やはりモータースポーツなどのスポーツ走行をするならば根本的な冷却機能の強化は欠かせません。純正の冷却パーツではそもそも放熱性能が足りていない事が多く全開走行を続けることができない事があります。

特にターボ車やエアコンが装着されているような車ではエンジンの発熱量は飛躍的に上がるため強化は必須と言えます。

ここでは一般的な冷却能力の強化方法を列挙しておきます。

 

ラジエーターを大型の物に交換する

レーシングラジエーター

最も手っ取り早く冷却性能を強化できるのはラジエーターの容量を大きくすることです。幸いなことに各メーカーから容量を大きくしたラジエーターが発売されていますのでそういったものを購入して車屋に持ち込むといいでしょう。

費用としては車種にもよりますが2万円~5万円程度で強化できるのでお手軽な部類に入ると言えるでしょう。ただラジエーターはデカければデカいほど良い訳ではありません。デカすぎるとかえって冷却水の循環が遅くなって冷却能力が下がってしまう場合がありますので注意が必要です。

今現在自分の車のエンジンのチューニングがどの程度進んでいるのかを把握し、それに見合ったサイズのラジエーターを設置するようにしましょう。車はトータルバランスが大事です。

 

ラジエーターホースに交換する

ラジエーターホース

ラジエーターを大型の物に交換した場合はラジエーターホースも交換すると良いでしょう。社外品のラジエーターホースは純正品と比べて強化されていて膨張や圧力に強く歪みによる気泡が発生しにくくなっています。つまり冷却水が安定してラジエーターに送られるようになり安定した冷却性能が期待できるようになります。

 

エアダクト付きのボンネットに交換する

エアダクト付きボンネット

熱のこもりやすいエンジンルームそのものを冷却するのも非常に有効です。エンジンそのものが熱い空気に包まれているのか冷たい空気に包まれているのかで必要とされる冷却能力も変わってきます。

具体的には外気を取り入れられるようにエアダクトが空いているボンネットに交換すると効果的です。ラジエーターを通った空気やエンジンそのものから発せられた熱気を効率よく外気と入れ替えてくれます。

 

オイルクーラーの装着をする

オイルクーラー

冷却性能の強化と聞くと冷却水やラジエーター周りの強化が一般的とされていますが実はエンジンオイルを冷却する「オイルクーラー」を装着するのも非常に効果的です。

冷却水がエンジンを外側から冷却するとすればエンジンオイルはエンジンの内部から冷却する役割をしています。

具体的にはエンジンの燃焼によりシリンダーで発生する熱は冷却水を介して冷却されていますが、ピストン運動などで金属同士の摩擦によって発生する摩擦熱はエンジンオイルが吸収しています。つまりエンジンオイルも激しい走行によって非常に熱をもつのです。

そのエンジンオイルをラジエーターと同じ要領で走行風を当てて冷却するのが「オイルクーラー」です。基本的にラジエーターと同様にフロントの風が当たる位置に設置します。

 

オイルクーラーを選ぶ上で注意しなければいけないのは自分がスポーツ走行をするシーンによって有効なオイルクーラーは変わってくるということです。例えば速度域の高いサーキット走行と速度域の低いラリー走行では適切なオイルクーラーは変わってきます。

ですので速度域の低い競技や走行シーンが多いのに高速域用のオイルクーラーを設置してもあまりオイルを冷却することができず、ただただ重いだけのパーツになってしまいます。

オイルクーラーが低速用なのか高速用なのかを判断する基準としては放熱カロリー表示を見ると良いでしょう。「なんのこっちゃ良く分からん」と言う人は専門ショップで相談することを強くお勧めします。

ちなみに取り付けはプロにお願いする方が無難です。自分でもできないことはないですがオイル周りは万が一漏れたりすると即エンジン焼き付きによる廃車に繋がりますのでリスクが高すぎます。

予算の目安としては車種やショップの工賃にもよりますが10万円程度を見ておくと良いでしょう。

エンジンの冷却性能強化のまとめ

エンジンの冷却能力の強化は安定して高速走行をすることを可能にする意味合いもありますが、なによりも大事なエンジンを壊さないという意味合いもあります。

スポーツ走行をする上でエンジンブローは即リタイアを意味しますので「駆動し続ける」というのは必要最低限の条件です。この条件をクリアできないのはタイムがどうとか速く走るとかそういった目的以前の問題です。

モータースポーツは「完走」して初めて記録となりますのでエンジンの冷却性能をキッチリ強化して途中リタイヤをしなくて良い車に仕上げましょう。

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