車のチューニングをする上での準備や考え方を解説している記事です。連載シリーズ記事となっていますのでまだ以前の記事を読んでいない方は先に読んでみて下さい。
エンジンチューニングとは
前回の記事でエンジンチューニングの優先順位は低いと説明しましたが、優先順位の低さはあくまで
- 素人が手を加えた時にデチューンになる可能性があること
- エンジン内部はプロでしか触れないということ
- お金がかかること
の3点の理由から低めになっていました。
とはいえ車を速くする上でエンジンは最も速さに直結しているパーツと言っても過言ではないパーツですので無視することはできません。
この記事ではエンジンチューニングの方針を決める基本とチューニングを進めていく上での心構えを解説しています。
エンジンには様々な規制が設けられている。参加を目指すレースのレギュレーションを確認する
エンジンはパワーアップさせるのは比較的簡単ですし、メーカーもやろうと思えばいくらでも高出力なエンジンを作ることができます。
しかしあえてそれをやらない(できない)のは排ガス規制や騒音などにはじまる各種法令規制や、規制ではありませんが市販車に求められる燃費や振動消費者を十分満足させる基準にまで引き上げなければいけません。
エンジンというパーツはそれらの足かせによってがんじがらめにされているのです。
しかしユーザーが購入後に改造することまではメーカーは想定していません。例えば燃費や振動を抑える事による快適性などはユーザーがいらないと思えば必要のないものです。(環境的にどうなのという話は残りますが…)また競技用マフラーと呼ばれる静粛性を無視したマフラーもありますのでそういった物に交換するのもいいでしょう。
こういった具合に快適要素を捨て去る代わりに速さを求めるのが一つのチューニングの在り方と言えるます。
あくまでクローズドコースでの話です。サーキットでは競技用マフラーでも構いませんがサーキットから一般道に戻る時には騒音規制をクリアしたマフラーに交換するようにしましょう。
一般道を自走できない状態の車は積載車に載せるなどして法律違反にならないように注意しましょう。
ちなみにレースによっては車に関するルールが決められている場合があります。自分が出場を目指しているレースの条件を確認してからチューニングを始めることが重要です。
サーキット走行(走行会)
基本的に誰でもサーキットを走れるのが走行会です。
本来サーキットでレースに出場するにはサーキットやJAFが発行しているライセンスと呼ばれる許可証やレギュレーションを満たす車両の用意必要となりますが走行会ではそういった物が必要ありません。
ただ整備不良の車や騒音規制から著しく逸脱している車などは走行することを断られます。
ナンバー付きレース
最近注目され始めているレースで一般公道を走れる車でレースを行います。車両は車検を通る車と規定されていますので基本的にノーマル状態の車となります。
マフラーやエアクリなどの吸排気系パーツもノーマルかレース主催者に認められたものだけが使用できます。
サンデーレース(草レース)
最も自由にチューニングできるのがこのサンデーレースでしょう。主催者にもよりますが基本的に細かい車両規定はあまり設けられておらず、周りに迷惑をかけないことを求められる程度です。
ただサンデーレースである以上先は無く上位のレースに発展することもありません。上位のレースを目標にしている人はあくまでチューニングの基本やレースに慣れるために参加しましょう。
N1規定レース
ナンバーを外した車でレースをするN1は後述するサンデーレースと並んでモータースポーツの入門レースと言えます。ただこちらは国内Aライセンスが必要となります。
チューニングもエンジンはメンテナンスに毛が生えた程度のチューニングまでとされ、吸排気系の部品交換はできますがエアフィルターボックスは純正状態のままにしなければならない等細かいレギュレーションが存在します。
同じ入門レースでも草レースと比べれば非常に厳しく制限されていると言えるでしょう。
さらに上級のレース
入門レースで腕を磨いた後は更に上級のレースに参加していくことになります。改造範囲もグッと広がりシリンダーブロック、ヘッド、バルブ、カムシャフトなどのエンジン内部の改造も認められていて一気に車のチューニング幅が広がります。タービン交換も数の制限くらいですので、まさに市販車とは別物の車に仕上げていけるでしょう。
ジムカーナやダートトライアル
こちらもナンバー付き車両ではエンジンはスパークプラグやハイテンションコードの交換程度が認められていて殆どノーマル仕様車での出場となります。公道を走れないナンバーを外したクラスともなるとほぼフルチューンが認められています。
ストリート
こちらはレースではないのでこの項目に並べるのは不適切かもしれませんが、一般公道しか走らないとしてもエンジンをチューニングするのはモチロンOKです。高速道路の加速時程度しか実感できないでしょうが、チューニングとは自己満足の世界でもあるので楽しむのも悪くないでしょう。
ただある意味ストリートはレギュレーションが最も厳しいので注意が必要です。少しでもレギュレーション(法律)を出たチューニングをすると走行を認めてもらえなくなります。
要は競技用マフラーとか大気開放式ブローオフバルブを公道で使用するような迷惑行為&違法行為は絶対に辞めましょうってことです。
最初からフルチューンは目指さない
エンジンはチューニングの上限が非常に高く、果てしないものです。
もっと分かりやすく言えば「キリがない」ということです。しかもエンジンのチューニングは一か所するだけでも結構な費用と時間がかかります。大富豪ならまだしも一般人ですと最初から完全なフルチューン仕様のエンジンを目指そうとするとタイヤ代すらままならなくなるでしょう。
だからこそエンジンチューニングは自分の予算と相談しながらチューニングしていかなければならないのです。
それに運転技術が未熟な内からフルチューンされた車に乗ってしまうと車に助けられる部分が大きくなりすぎてしまい運転技術が向上しにくくなってしまいます。
そういう意味ではエンジンチューニングは自分の運転技術が向上して物足りなくなってから順次手を加えていく程度にするのが賢明と言えます。
エンジンチューニングは寿命を縮める
エンジンチューンをすると当然ながら純正エンジンと比べて飛躍的に出力を向上させることができるのですが、一方でエンジンの寿命を縮めることにもなりがちです。
エンジンの出力を向上させながらエンジンの寿命を出来得るかぎり縮めないためには補強をする必要があり、出力向上をすればするほど二次関数的に予算はかかることになります。またエンジン出力の向上をさせればボディ剛性やその他の部位も補強しなければならなくなります。
車全体のトータルバランスを考慮したチューニングが必要なわけですね。
そういう意味でもエンジンのチューニングは少しずつ行うことが望ましいでしょう。
…早い話がエンジンパワーを上げれば上げるほど金かかるからちょっとずつ進めていった方が良いよってことです。
エンジンチューニングに関する基本知識と心構えのまとめ
今回はエンジンチューニングに入る前の基本的な知識と心構えについてを解説しましたがいかがでしたでしょうか?これからモータースポーツの参加を目指そうとしている方は特に「レギュレーション」と「予算」について良く知っておく必要があるでしょう。
せっかくチューニングしたのに規定違反で参加すらできなかったのでは悲しすぎますからね。
なお今回解説したのはあくまで一般的なエンジンチューニングの基礎知識のほんの一部です。次回以降は具体的にどういったエンジンチューニングがあるのかを一つずつ解説していこうと思います。多分エンジンチューニングの記事がしばらく続くと思いますので次回以降もお付き合いして頂けたらと思います。
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