自動車チューニング

【車のチューニング入門第1回】そもそもチューニングとは?

これから車のチューニングを始めていきたいけれど、どこから始めて良いのか分からない!…っていうかそもそも「車をチューニングするってどういうこと?」考えてたらわかんなくなってきた…

車を始めて触ろうと考える人の多くは文字通り「右も左も分からない」状態である事が殆どです。あなただけではありません(笑)この記事はそんなチューニング初心者の方に向けた記事となっています。

また今回から初心者のチューニング入門と題してチューニングの基本的な知識を提供していく記事を一連のシリーズとして更新していきたいと思います。

初心者の方はもちろん既に車の事に詳しい人も知識のおさらいとして読んで頂ければ嬉しいです。

 

車をチューニングするとは?

車のチューニングには大きく分けて以下の二つがあります。

  • モータスポーツとしてのチューニング
  • ストリートを楽しむ為のチューニング

どちらも「車を改造して性能を向上させる」という意味ではチューニングには違いありませんが本質的には大きく異なります。

モータスポーツとしてのチューニング

多くの人が思い浮かべるのはモータースポーツとしての車のチューニングです。つまりサーキットなどのクローズドコースを速く走りタイムを出すためのチューニングですね。

サーキットを速く走るのだからとにかくハイスペックに改造すればいいと思われがちですが実はコースや大会毎にレギュレーションと呼ばれるルールが細かく決められている場合が多く、その範囲内でチューニングをすることが求められます。

このシリーズでは主にモータースポーツを主眼に置いた解説を行いますがストリートにも通じる部分はあります。

ストリートで楽しむ為のチューニング

多くの人が手を出しやすいのがストリート(公道)を主に走る車両を対象にしたチューニングです。サーキットとは違い法律的な縛りの多い一般公道を走る車両を改造するので合法な範囲内での改造が求められます。

ちなみに改造車が嫌われてしまうのは、このサーキットチューニングとストリートチューニングの区別ができていない、もしくはわざとルールを守っていないドライバーが数多く一般公道に存在するからです。

 

イニシャルDの世界は漫画の中の憧れだけにしておきましょう。

 

車をチューニングする優先順位

チューニングの種類の違いは分かっていただけたかと思います。

ところで皆さんは「車のチューニングをする」というとどこをチューニングすることを思い浮かべますか?当然ですがチューニングには高額なお金がかかる以上、費用対効果(コストパフォーマンス)というものが存在しますので優先順位が発生します。またモータースポーツチューニングをするならば安全装備の決まりもあります。

もちろん自分が手をかけたいところからチューニングする。それも一興です。車って趣味の世界ですからチューニングの順番に決まり事なんてありません。

ただ同じお金をかけるなら効果が高い方が気分が良いのも確かです。(笑)
そこで具体的なコストパフォーマンスに優れたチューニングをご紹介しますので参考にして下さい。「車を買ったら最初にしたいチューニングは決まってるぜ!」って人も自分が最優先に手を加えたいチューニングが終わった後を考える材料にしてください。

コストパフォーマンスに優れたチューニングは以下の通りです。

  • 吸排気系チューニングやECUチューニング
  • オイル管理
  • LSDとクラッチ
  • ブレーキやサスペンション
  • タイヤ
  • ボディ剛性

 

吸排気系チューニング

一昔前のチューニングでは「まずエンジンから」というのが一つの常識でした。
それは昔の車に搭載されているエンジンは市販されたままの状態では製造精度の低さから個体差が大きかったからです。そのため「個体差」を無くす程度のチューニングを施してエンジン本来の性能を発揮させるのが効果が高かったのです。

しかし現在はエンジンチューニングの優先度は低くコストパフォーマンスも低くなっています。しかし現在は工業製品の工作精度が飛躍的に上がったことにより個体差は限りなく少なくなりました。素人や中途半端なチューナーが下手に手を加えるとデチューンになる可能性すらあります。

しかしここまでの話はあくまで「エンジン内部」のチューニングの話です。エンジン内部のチューニングはエンジンを分解する必要がありコストも手間もかかります。その割にデチューンになる可能性すらあるわけです。

そこで現在のトレンドはエンジンの内部は純正状態のままで吸排気やECUによってエンジン出力を上げようというアプローチです。

 

アフターパーツメーカーもその事はよく理解しているので各メーカーから発売されている吸排気パーツやECU書き換えプログラムは非常に高性能なものがラインナップされています。

また吸排気チューニングに限っては作業が簡単なので自分で作業できるという点も非常に大きなメリットでしょう。

 

オイル管理チューニング

オイル管理と聞いて「は?」と思ったあなた。まだまだですね(笑)
チューニングに精通していて工業製品に詳しい人ほどオイル交換の大事さは理解されています。車を長く綺麗に調子よく乗り続けている人はもれなくオイル管理を小まめにされている方ばかりです。

「それってメンテナンスだろ?」と思うかもしれませんがオイルの種類によってはエンジンの性能を設計通り出すこともできるようになりますし、エンジン保護の意味合いもあります。

またエンジンだけでなくミッション、ギア、デフ、等車にはあらゆる箇所にオイルが使われています。それらを全てきちんと管理できている人がどれだけいるでしょうか?

そう考えるとオイル交換をきちんとする、高品質な物に変えるのも立派なチューニングの一つと言えます。

 

LSD(スプリットリミットデフ)チューニング

LSDはモータースポーツチューニングをする上で欠かせないパーツの一つです。エンジンの出力を余す所なくアスファルトに伝えることができる効果があります。

ただLSDには種類がありますので駆動方式やチューニングの目的に合わせて選択する必要があります。

またLSDと合わせて行いたいチューニングの一つがクラッチを強化クラッチへ交換するチューニングです。LSDを強化することで路面に駆動力が伝わりやすくなりますが純正のクラッチだと駆動ロスが発生してしまい折角のLSDを有効活用できなくなります。

 

ブレーキやサスペンションチューニング

車をチューニングしていく上でもっとも重要と言えるものの一つがブレーキ周りの強化です。吸排気やECUのチューニングやLSDのチューニングによってストレートやコーナーでの平均速度は飛躍的にアップするのですが車のトータルバランスを考えた場合に加速力と同等のブレーキ性能を備えていることは必須条件でしょう。安全装備でもありますので優先順位は非常に高いと言えます。

それに車を速く走らせるのはなにもエンジンパワーだけではありません。みんな大好きイニシャルDの主人公である藤原拓海もエンジンパワーで劣るAE86による強烈なブレーキングでハイパワー車をバッタバッタとなぎ倒していましたね。

まぁ…イニシャルDは現実的ではありませんが実際に車を速く走らせるために強力なブレーキシステムにチューニングすることは非常に有効です。

 

またサスペンションはボディとタイヤ、ひいてはボディと路面を繋ぐ非常に大事なパーツです。純正の足回りは一般道の様々な状況に対応できるようにオールマイティなセッティングで作られています。全体的に柔らかく作られていて乗り心地は良いがスポーツ走行には適さないものとなっています。

 

タイヤチューニング

タイヤをハイグリップな物に変えるのも立派なチューニングの一つです。むしろエンジンチューニングなどよりも重要度が高いと言えるかもしれません。走る環境や車両に合ったタイヤを選択できた時は飛躍的な性能の向上が期待できるでしょう。

ただタイヤのレギュレーションは割と細かく定められていますので実際に参加する競技やサーキットに合わせた選択をすることも忘れてはいけません。

 

ボディ剛性のチューニング

サスペンションのチューニングをしたら合わせて行いたいのがボディ剛性を補強するチューニングです。

いくらサスペンションを高性能なものに変えてもサスペンションが仕事をする前にボディが捻じれて動いてしまってはサスペンションやタイヤの性能をフルに活かすことができません。ボディ剛性強化はいわば「他のパーツの性能を最大限に生かす為の縁の下の力持ち」のようなチューニングと言えるでしょう。

 

最後に:チューニングは付けて終わりではない

チューニングはメーカー出荷時に最良の状態で出荷されますので取り付けてすぐに異常が出ることは稀です。
しかしどんなに高性能なパーツであろうと定期的なメンテナンスやオーバーホール、部品交換をしなければ性能を発揮することはできません。

そう考えれば普段のメンテナンスもある意味「車の性能を最大限の状態にキープする」というチューニングなのかもしれません。

 

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